8.04.2011

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次々と挑戦を繰り返す若き経営者
オーガニックマーケットCA 福原悟史さん




道を切り開く為のビジネスのヒント                     No.31
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今回より新しいコンテンツがスタートします。
内容は「新規事業」をテーマに、事業開発の背景、顧客獲得から事業を軌道に乗せるまでの内容を、筆者が起業家や経営者に直接取材を行い、経営や起業にお役立ち頂けるここだけの情報をお届けします。




最初のゲストは、兵庫県芦屋市を拠点に新鮮・安全・美味しいにこだわった有機野菜・無農薬野菜の販売をしている「オーガニックマーケットCA」代表取締役の福原悟史さんです。

福原さんは平成18年の夏、大学在学中に無農薬野菜の移動販売を開始、以降徐々に販売チャネルを増やし、今では店舗販売、個人宅配、ネット通販と事業を拡大。

新鮮・安全・美味しいにこだわり、移動販売時代から今も変わらずに、毎朝午前3時に起床、近隣の篠山市や大阪府能勢町などの産地へ直接仕入に行き、その日に採れた新鮮な野菜だけを販売されています。

端正な顔立ち、お洒落でさわやか福原さんは、野菜王子との愛称で親しまれていますが、その行動力とハングリー精神は半端なく、自分で決めた道をひた走る、男の中の男といっても過言ではないぐらいです。
そんな福原さんの起業のエピソードや、拡大を続ける経営についてお話を伺いました。



◆ 起業のエピソード

福原さんが起業を意識し始めたのは大学3年生頃。
大学に入った当初、受験時代とは異なり、しばらくは自由な時間を謳歌し仲間と同じように過ごしていたようですが、半年ほどで遊ぶことにも飽きてしまい、目標なく時間を過ごすことに違和感を感じられ、このままではいけないと思い、将来をどうするか真剣に考えるようになられたそうです。

多くの学生がこの時期、周りに流されてしまう人が多いと思うのですが、福原さんは自分自身と真剣に向き合い、卒業後の仕事(就職)をどうするのかという視点ではなく、自分がこの先どう生きるべきか、一度切りの人生、本当にやりたいことをやろうと考え、その結果、起業という目標を持ち、経営の勉強やアグリビジネスの業界に関する情報を集めることから始めていったようです。

起業の動機やアグリビジネスの世界に飛び込んだことについては、何かしらの理由があっとというよりも、仕事を模索する中でふと思い立ち、やってみたい、チャレンジしたいという挑戦の意欲が高まりが、福原さんを突き動かして行きました。

当初は農業、野菜の生産をすることを考えたようですが、色々と調べてみると、考えていた以上に資金と時間が掛ることが解り、実現性は難しいと判断、まずは販売を行うことで、売り先を作ることから始めてみようと、野菜の販売を進めることとなります。

しかし、そうはいってもまだ学生であり、野菜や農業のこと、経営のことなど全く知らない素人同然。知り合いを通じて仕入先を紹介してもらうも、始めはなかなか信頼して貰えず、仕入が進まない。それではと畑の仕事を手伝うことで、知識を得ながら、仕入先である農家さんの信頼を得ていったようです。

その後、販売用の車を購入し、事業を開始されますが、道路場での販売に際し、近くの会社の方から文句を言われたりと、次々と生じる困難にも負けず、大阪府吹田市での販売から、次に縁のあった街、兵庫県芦屋市で、事業の基礎を固めていかれました。


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◆  お客にどう売るかではなく、どう受け入れてもらえるかどうか
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芦屋市での移動販売が順調に推移した後、店舗販売に形態を変えていかれるのですが、今後の事業の拡大を見据えた際、移動販売の労働条件はかなり悪いとの自身の実体験から、将来の人材育成においてリスクと考え、店舗販売へシフトされていきます。

店舗を構える際、お客が集まる店というのは立地はもちろんですが、福原さんは雑誌に載るような店はお客が集まり繁盛するだろうと思い、徹底的に雑誌や他店を研究、考えに考え、雑誌が取材に来るようなお店作りを進めていかれます。


物販という事業の都合上、売っているものが同じであれば、常々差別化を意識しなければならない。福原さんは起業される段階から、そのことを念頭に置き、他社との違いを自分らしさ、CAらしさを、商品、サービス、デザイン等で表現し、少しつづ積み重ねていけば、いずれ他社とは異なるオリジナルティある店になると思い、自分らしさを全面に出したお店を作り上げました。


壁や天井を白で統一した落ち着いた店内、お洒落な雑貨やアンティークを売るかのように新鮮な野菜がディスプレイされ、クラシック音楽が流れる、coolで心地良い店内。個性あるブティックが立ち並ぶ、ヨーロッパのお店がここにあるかのようなイメージです。

現在もTVを含め、数多くのメディアに紹介されている福原さんですが、店舗を持たない移動販売時代からも、20近くの雑誌などに取材されたようで、オリジナリティを追求し続ける結果が、他店とは異なる違いを生みだし、「行ってみたいお店」になったのではないでしょうか。

<メディア掲載一部ご紹介>
朝日放送LIFE~夢のカタチ
神戸新聞~食と農林水産 ひらく人


メディアを魅了する戦略も見事ですが、商品へのこだわりや顧客を大切にする姿勢も見過ごせません。冒頭に紹介したように、福原さんが産地を訪ね歩き、土作り、生産方法を見極め、本当に安全、美味しい野菜を作る生産者を厳選して、その日に採れた新鮮な野菜だけを販売されています。



※「自然農法」「有機農法」「無農薬栽培」を実践する、志の高い農家と契約し
農薬や化学肥料に頼らない、人の手と土の力だけで作られた野菜を販売。

採れたての新鮮な魚が美味しいように。
野菜も同じく、収穫当日のものと、翌日以降のものでは旨味が全く変わってくる。
日本人が忘れかけていた「野菜本来の味」を福原さんは提供されています。

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◆ 「美味しい野菜を日常に」。
◆ CAさんの思い、夢がたくさんのお客を魅了し、お客に指示されるお店へ
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◆ 宅配事業をスタート。販売チャネルの拡大へ

店舗販売から約1年半後、個人宅配のサービスを開始。
店舗での販売は商圏や売場のスペースから売上に天井があることと、経費等を考慮すると、利益率の改善を進めていくことが難しいと判断。当初は店舗販売に思い入れも有り、多店舗展開することで事業の拡大を考えておられたようですが、

地域の密着性を活かし、安全で美味しい野菜をもっと多くの方に食べてもらうことを
優先し、重い荷物を持たなくてもいい、送料が掛らず、より安く買いたいというお客の要望を踏まえ、宅配ビジネスに力を注がれていきます。

宅配ビジネスのスタートにより商圏が拡大し、売上も順調に推移。また、毎週のお届けを希望する会員客も増え、安定的な売上の確保により、次第に経営の安定が見え始めるも、福原さんはここで手を休めることなく、ビジネスがしっかりした固まって来た段階で、新たにスタッフを採用。

宅配ビジネスのエリア拡大や、ギフト販売、全国のお客様を対象としたネット通販など、事業を更に拡大していかれます。


◆ 今後のビジョン

CAの事業コンセプトは「日常の楽しめるひととき」
年に一度の特別より
毎日の楽しみをよりよくしたいとの思いから
お客にCAと接する普段の生活をより楽しんで頂けるよう、ちょっとしたサービスや工夫を積み上げて行くこと。

独自のサービスを作り上げていけば、今後更に事業が拡大しサービスを提供するお客がたくさん増えてとしても、CAらしさを活かしながら、お客に選ばれる会社に成ることが出来ると考えていらっしゃいます。

また、自社での販売事業の他、今後は食育分野への展開を計画中。CAが安心して提供出来る野菜、食材の卸や、新鮮な野菜を活かしたメニュー企画、提供による、外食事業への参入など、新しい農業、アグリビジネスのスタンダードを築くべく、福原さんは次のビジネスを既に見据えています。


〓〓編集後記〓〓
取材は2時間半に渡りましたが、創業からこれまでの軌跡は、紹介仕切れないほどエピソードがございました。次々と挑戦を繰り返す福原さんですが、常に走りながら考え、壁に当たれば、大きく行動を変えて次の手を打つ印象を強く受けました。

新しい事業をスタートさせる場合、市場調査、事業計画はとても重要ですが、本当の答えは実際に行動を開始し、お客を探し、売ってみることでしか、挑戦したビジネスの答えは解りません。

時代の変化が激しい現在は、行動を加速し、実際に触れたお客の感触や体験した業務数値の分析から、次々に手を加えて、ビジネスを強くする。
そういう会社が市場に評価され、存続していくと福原さんから学ばせて頂きました。

◆おまけ
他にも色々とお話を伺いましたが、日本の食生活についてコメントを頂きました。
今回の東北大震災以降、原発の問題が起こり、放射能汚染の食品の影響が色々とメディアを通じ、取り出されていますが、それよりもむしろ、既に一般に流通している食品の方が問題である。

特に添加物や化学調味料が入った商品は、今後人体にどのような悪影響を及ぼすか不明であり、もっと関心を持つべきだと福原さんはおしゃっていました。

福原さんは事業をされる前、他の人と変わりない食生活を続けてられたようですが、野菜に携わる仕事をしてから、食生活を見直し、なるべく、自然由来の食品や野菜を摂取するように変えられたようです。

その結果、福原さんいわく昔はバカ舌だったようですが、繊細な味が解るように成り、今では添加物などが含まれていると、味ですぐ解り、体調への影響などもあるようです。
更に、超ハードな仕事量をこなされていらっしゃるようですが、スタミナも倍増し、病気をすることもほとんどないとか

体は食事から作られる。実体験からのメッセージはとても説得力が有り、筆者も食生活を見直して行かなければと、考えさせられました。
自分は基より、お子さんのいらっしゃる家庭はとても大切なことですね。
このサイトをご覧になっている皆様もこの機会に是非、食育を考え、元気な体を作ってください。


◆会社概要
会社名:株式会社ジーエー
所在地:事務所〒659-0055兵庫県芦屋市竹園町2-19-102
店舗〒659-0083兵庫県芦屋市西山町3-10
設立:平成23年2月
webサイト:オーガニックマーケットCA
事業内容:無農薬野菜の販売(店頭・宅配・WEB通販・GIFT・卸)
講演活動(食育・販売活動)
地域活性化事業

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◆blog版-道を切り開く為のビジネスのヒント-
http://biz-open.blogspot.com/
:発行人:宮下

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